滋賀県災害鍼灸マッサージ研修【第1回】
感想
平成30年10月28日(日)、滋賀県鍼灸マッサージ師会館にて、第1回目の鍼灸マッサージ師会・鍼灸師会合同の災害研修を行いました。両団体のコーディネーター候補20名が参加し、災害時の医療について学びました。
まず、滋賀県健康医療福祉部医療政策課医療整備係の川端真司氏より、「滋賀県の災害慰労体制について」説明をいただきました。災害医療は救急医療の延長上にあり、まずは県内で迅速に患者を必要とする医療に搬送するかが重要なことで、滋賀県広域に被災し、重篤な症状の患者を処置することが出来ない場合は、如何に県外に搬出するかということでした。そして、EMIS病院情報のデータ化を推進することで、医療調整がスムーズにできるシステムについても聞く事が出来ました。また、重傷な患者を県外の専門病院にいち早く届けるためのSCU(広域医療搬送拠点)として、ヘリコプターが発着できる施設の整備など、災害時に極端に需要・供給バランスが崩れる緊急・救急医療の各資源確保についても説明をしていただいた。
鍼灸師やあマ指師では馴染みのない緊迫した急性期医療救護の現場における行政の役割についての説明であるが、災害時にはどの様な視点から医療救護が成されているをについて参加者も入念にその話を聞いていた。
そして、次の講義では、高槻赤十字病院救急部長の岡本文雄先生より『大規模災害時における被災者の健康被害とその予後』として、エコノミークラス症候群等、災害時に配慮すべき症状について講演をいただいた。また、先の大阪北部地震では国立循環器センターの機能停止などもあり、勤務されている高槻赤十字病院の機能確保についても紹介して下さった。エコノミークラス症候群は災害時には大きく取り上げられ、機内などで長時間無理な体勢で過ごすことに起因すると思われていたが、それ以外に災害ストレスや避難環境そのものが大きなリスクであること。女性が安心できる避難生活を確保すること。不安のために避難者が自身で水分量を制限しないで済む避難環境を作る事の必要性について、様々な事例を紹介いただきながらの説明は非常に理解しやすく、私たちが普段から接する臨床においても充分に役立つものであった。
滋賀県では、今後何度も災害研修を行っていく予定であるが、当NPOではこの研修が充実した内容になるようディレクションをしていきたい。
滋賀県災害鍼灸マッサージ研修は“滋賀県共同募金会じぶんの町を良くするしくみ”の助成にて行っております