平成29年12月16日(土)「第4回京都府災害鍼灸マッサージコーディネーター研修オープンコース」において「災害時の避難所評価について」を研修いたしましたが、この講師をお勤めいただきました武蔵野赤十字病院救急部長、DMATインストラクターを始め、数々の災害医療の業績を残され、また多くの方の命を救ってこられました、勝見敦先生が、1月31日に他界されました。
各界から勝見先生のご逝去を悼む声が挙げられていますが、先生が最後に講演されたのが、私たち鍼灸師・あマ指師に対する「災害時の避難所評価」に関する研修でした。
研修前の11月には、災害医療ACT研究所が主催する“極めるシリーズ「避難所評価」”に、はりネット理事が受講した際、「ちょっと鍼してみてよ」と言われ、理事の浜野が簡単な施術を行ったところ、少し体調が良くなられたようで、「鍼って効くね・・・」と言って下さいました。
「災害の現場に行って活躍する鍼灸師の皆さんに、少しでも避難所のことを知ってもらいたいんだよね。こんな身体になってもね、本当に伝えたいって思っていたんだよ」と言われ、研修の当日は車椅子で奥様に付き添われながら会場に入ってこられました。
そして、災害医療に対してほとんど知らない鍼灸師に対して、易しく丁寧に、また時折ジョークやユーモアを交えながら、そして災害の現場で救えた命の喜びと、涙ながらに救えなかった命への無念をお話し下さったときには、会場に居る皆がその言葉に引き込まれました。
また、ご指導を仰ぎたいと願っていましたが、その思いも今となっては叶いませんが、先生が私たち鍼灸師・あマ指師に対して災害現場での全人的ケアの可能性をお示しいただいたこと、決して忘れなず、実りあるものにしていきたいと存じます。
NPO法人鍼灸地域支援ネット 理事長 日比泰広
勝見先生への追悼文はこちら
http://www.dm-act.jp/shinobu.html