2016-11-04
福島県親子治療活動報告

福島県伊達郡川俣町「コミュニティちゃばたけ」での親子治療活動報告
活動場所:福島県伊達郡川俣町大字西福沢字茶畑7‐2
コミュニティちゃばたけ

●はじめに
9/24福島県小児鍼治療 福島県は2011年3月の東日本大震災の際に起きた原発事故のため、現在も広範囲に渡って平常時よりも高い放射線量が計測されており、目に見えない放射線の影響を心配しながら子育てをしなければならない状況が続いています。
そのはかりしれないストレスを、鍼灸・小児鍼・指圧・マッサージの力で少しでも軽減できないだろうかという思い、そしてもし仮に長期低線量被爆の影響があるとしたら、それに負けない体づくりに少しでもお役に立てないだろうかという思いから、私たちは高線量地域での長期的な活動に取り組みたいと考えました。

●川俣町と「コミュニティちゃばたけ」
川俣町は、全村が避難区域に指定されている飯館村に隣接しており、町の一部は計画的避難区域に指定されています。現在の放射線量は平常時の数倍から十数倍が計測されています。
川俣町南東部にある山木屋地区は、旧「計画的避難区域」(現「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」)に指定されており、本活動場所付近にある仮設住宅には、当該地区からの避難者が入居されています。
9/25コミュニティちゃばたけ・小児鍼「コミュニティちゃばたけ」は、空家だった民家を平成18年にNPOが買い取り、改築して地域のコミュニティスペースとして開放している、民間の児童受け入れ施設。子ども向けの行事の他に、高齢者向けのイベントも随時開催されています。
20畳ほどの和室が広い庭に面しており、大人の目の届く範囲に滑り台や砂場等の遊具が設置されていて、安心して外遊びをさせられる環境になっています。とはいえ、敷地内全除染対象の公共の児童施設とは異なり、民家’扱いのため、除染は敷地内の限定的な範囲にとどまっており(砂場の砂は助成金を受けて新潟から運んできたもの)、スタッフは困惑しているとのことでした。
家は山の中腹を切り開いて建てられており、南向きで日当たり、見晴らしともに絶好。東南の飯館村との境には高い山脈が、西北の福島市方面には低い山が連なっており、それを指して地元の方は、「飯館との境の、あのお山のお陰で原発の放射能が遮られて、川俣は助かったんですよ。そして福島との境の山が低かったお陰で、放射能の灰が川俣に落ちずに流れて行ってくれたんです」と話しておられました。

●施術
9/24福島活動・小児鍼参加者は、地域の子どもたち(幼稚園以下)とその保護者、そして近隣住民。「コミュニティちゃばたけ」スタッフが、会員への口コミはもちろん、福島民報に記事を掲載してもらうなど、積極的に告知をしてくださったおかげで、中には福島市内から足を運んで下さった方もいらっしゃいました。
会場は和室を受付・待ち合い・小児はり施術所とし、「ちゃばたけ」スタッフが受付業務を担当、曹洞宗スタッフが茶話会と傾聴を担当してくださいました。大人の施術は隣室の洋間にベッド2台を設置して行いました。
最初に保護者とスタッフに、小児はりの歴史、効果が期待できる疾患、症状について簡単に説明をさせていただき、その後、小児担当(2名)と大人担当(2名)に分かれ、施術を開始。
受療希望者には、受付で配布される問診票に、施術方法の希望(鍼灸か指圧マッサージか)、主訴、既往歴などを予め記入して、順番を待っていただきました。
大人への施術は一人当たり20分程度。治療効果を出すことよりも、術前術後での違いを感じてもらうこと、気持ちいいと感じてもらうことに主眼を置く施術を心がけました。
小児への施術は大師流小児はりの会のメンバーが担当。
子どもたちの症状・所見で、この年齢の子どもたち相応のもので、特に被災地だからという変わった点は感じられませんでしたが、幼稚園帰りの子どもたちがガラスバッヂ(積算線量計)を携帯している点は、ここが東京とは違うということをはっきりと示していました。
中に、「小児はりのボランティア活動は一度だけなのか? 継続的なのか?」と尋ねられた保護者がありました。この方のお孫さんには障害があり、継続的な活動ならば大変有難いとのこと。「孫のことが心配で、先々のことを考える度に不安になる」と訴えておられました。

福島県親子治療活動報告1~15回(PDFファイル)

福島活動・コミュニティちゃばたけ福島活動・コミュニティちゃばたけ2

 

 

 

 

 

 

 

9/25福島活動・コミュニティちゃばたけ3

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